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「気」の中国通史――趙翼『廿二史箚記』(新書余滴)
渡辺信一郎 岩波新書のシリーズ中国の歴史①『中華の成立 唐代まで』を昨年11月に刊行した。 叙述にあたってもっとも重宝した文献は、参考文献にはあげなかったが、司馬光の『資治通鑑』249巻と趙翼の『廿二史箚記(にじゅうにしさっき)』36巻である。両著ともに中国通史にかかわる名...

岩波新書編集部
2020年1月25日読了時間: 8分
3,202


メディアを創る言葉へ──ベンヤミンとアドルノの書の死後の生によせて(新書余滴)
柿木伸之 ■手紙を書く人 何ものにも支配されることのない生。それは言葉において、死後の生としても繰り広げられる。青年運動に関わった学生時代からそのような生を追い求めていたベンヤミンは、二つの世界大戦とファシズムの深い闇に閉ざされた時代を歩む道を探る言葉を紡いだ。その重要な表...

岩波新書編集部
2019年12月29日読了時間: 17分
8,847


『統合失調症』の執筆に際し考えたこと(新書余滴)
村井俊哉 「テレビで私たちを呼んでくれるのはEテレの『バリバラ』まで。その先には大きな壁があるのですよ。たまにお声がかかったとしても、自分の病気が『統合失調症』である、ということは伏せて放送されるのです」。自らが統合失調症を持つことをオープンにして啓発活動を続けているある著...

岩波新書編集部
2019年11月29日読了時間: 6分
10,102


スターリングラード後のパウルス(新書余滴)
大木 毅 拙著『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』が刊行されて3か月ほどになる。幸い、好評を得ているようではあるが、新書という性格上、ごく簡略に記した事項について、より詳しく知りたいというご要望が少なからず寄せられている。とくに、スターリングラードでドイツ第6軍を指揮したフリードリヒ...

岩波新書編集部
2019年11月7日読了時間: 12分
9,714


フーコーの日本(新書余滴)
慎改康之 このたび岩波新書の一冊として上梓した『ミシェル・フーコー 自己から脱け出すための哲学』は、20世紀フランスの哲学者ミシェル・フーコーの著作をこれから読み始めようとしている人々に向けられた入門のための書である。 実を言えば、フーコーの入門書は、すでに数多く存在してい...

岩波新書編集部
2019年10月25日読了時間: 17分
9,211


虐待死 なぜ起きるのか、どう防ぐか(新書余滴)
川﨑二三彦 90年代の児童福祉司 午後8時、例の如く残業していたところへ警察署から電話。 「母と内縁の夫を逮捕したけれど、子どもたちの行き場がないんですわ……」 今から一時保護してほしいというのです。悲しいことに私の担当地域での出来事。議論の余地はありません。夜遅く、小4と...

岩波新書編集部
2019年10月11日読了時間: 12分
1,374


生きのびるマンション(新書余滴)
山岡淳一郎(ノンフィクション作家) 社会的な観点から分譲マンションを取材して書こうと決めたのは20年ほど前だった。政官財が景気浮揚のためにイメージ先行で建てるマンションと、人間が暮らす生活共同体としてのマンションには大きなズレがあった。その違いは後々、住環境を蝕むと感じた。...

岩波新書編集部
2019年10月8日読了時間: 8分
951


政治を学び直す――ある男性研究者の試み(新書余滴)
前田健太郎 『女性のいない民主主義』。この新書の一風変わったタイトルが決まったのは、本書の執筆の最終段階である。もともと筆者は、「男性の政治学からの脱却」という、より学術的な性格の強いタイトルを考えていた。というのも、本書は日本の政治を分析する本であるだけでなく、政治学とい...

岩波新書編集部
2019年10月4日読了時間: 12分
5,507


先行公開:大竹文雄『行動経済学の使い方』”はじめに”
9月20日発売の大竹文雄著『行動経済学の使い方』(岩波新書)から「はじめに」を、発売に先がけて公開いたします。 * * * 私たちの生活は起きてから寝るまで意思決定の連続である。しかし、そのほとんどは、習慣的になっていて無意識に行われている。何時に起きるのか、何を食べるのか...

岩波新書編集部
2019年9月13日読了時間: 5分
1,733


奴隷貿易解明のための旅はつづく――『奴隷船の世界史』を書き終えて(新書余滴)
布留川正博 私が奴隷貿易に関心をもったきっかけ 大学院の修士課程のとき、カール・ポランニーの経済人類学に関心をもち、修士論文にまとめたことは、本書の「あとがき」で触れました。博士課程に移ったとき、このテーマをそのまま続けることが難しくなりました。経済学よりも人類学の方に関心...

岩波新書編集部
2019年8月30日読了時間: 15分
6,416


日本と独ソ戦(新書余滴)
大木 毅 先般、岩波新書で『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』を上梓した。幸い、ドイツやソ連の現代史を専攻する研究者、歴史には一家言ある読書家の諸氏にも高評価をいただき、ほっと胸を撫でおろしているところだ。もっとも、独ソ戦のような巨大なテーマを、それも紙幅の限られた新書で扱ったのであ...

岩波新書編集部
2019年8月8日読了時間: 12分
6,836


『ユーラシア動物紀行』がフィンランドへ!
2019年1月に出た『ユーラシア動物紀行』は,北海道大学の増田隆一先生がユーラシア大陸をフィールドにフィンランド、ロシアの共同研究者の皆さんと長年続けてこられた動物地理学の成果を紀行風に紹介するものです。 本文にもユーラシア大陸の動物たちや各地の街並み、共同研究者の皆さんを...

岩波新書編集部
2019年3月18日読了時間: 2分
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栗原康さん「アナーキーをまきちらせ!」岩波新書創刊80年企画説明会での講演から
写真提供:新聞之新聞社 岩波新書創刊80周年記念新刊の一冊として刊行された、栗原康さん『アナキズム 一丸となってバラバラに生きろ』。新赤版の岩波新書が、全帯(カバーと同じ幅の帯)により黒版になっているのも、すでに注目の的となっています。...

岩波新書編集部
2018年11月24日読了時間: 11分
5,878


馬場紀寿さん『初期仏教 ブッダの思想をたどる』インタビュー
いまや国際的に人文学再編の大きな流れを作り出しているという仏教学。『初期仏教 ブッダの思想をたどる』は、仏教学研究の最新成果を知的興奮とともに知ることができる一冊です。著者の馬場紀寿さん(東京大学東洋文化研究所准教授)にお話をうかがってきました。 * * *...

岩波新書編集部
2018年10月14日読了時間: 9分
15,402


森本あんりさん『異端の時代――正統のかたちを求めて』インタビュー
新刊『異端の時代――正統のかたちを求めて』の著者・森本あんりさん(国際基督教大学〔ICU〕学務副学長・同教授)に、新書の隠れた読みどころ、お薦めの読み方をうかがってきました。 * * * ◆本当に書きたかったのは――? ――「異端」「正統」と聞くと宗教的なイメージをもつ人が...

岩波新書編集部
2018年8月24日読了時間: 6分
6,788


見田宗介さん『現代社会はどこに向かうか』
岩波新書には、社会学者・見田宗介氏の著書が3冊あります。 まずは『現代社会の理論──情報化・消費化社会の現在と未来』1996年刊行。次いで『社会学入門──人間と社会の未来』2006年刊行。いずれも幅広い読者に迎えられ、刊行から時を経た今も変わらずロングセラーとして読まれ続け...

岩波新書編集部
2018年7月2日読了時間: 2分
6,108


竹村彰通さん『データサイエンス入門』インタビュー
今日発売の新刊『データサイエンス入門』の著者であり、滋賀大学データサイエンス学部長を務めている竹村彰通さんにお話をうかがいました。データサイエンスって何? って思ったあなた、まずはこのインタビューから。 * * * ――滋賀大学データサイエンス学部新設から1年ですね。この4...

岩波新書編集部
2018年4月20日読了時間: 4分
2,936


軽部謙介さん『官僚たちのアベノミクス――異形の経済政策はいかに作られたか』インタビュー
話題の新刊『官僚たちのアベノミクス――異形の経済政策はいかに作られたか』の著者である軽部謙介さんにお話をうかがいました。 * * * 僕たちの仕事は、 きちんと事実を検証し、 チェックし、 読者たちにファクトを届けること ◆達成感半分、反省半分...

岩波新書編集部
2018年3月10日読了時間: 9分
2,681


杉本淑彦さん『ナポレオン――最後の専制君主、最初の近代政治家』インタビュー
杉本淑彦先生のナポレオンについての著作は、『ナポレオン伝説とパリ』(山川出版社)、そしてジェフリー・エリス『ナポレオン帝国』(中山俊と共訳、岩波書店)に続いて3冊目。今回は、ナポレオンその人の、文字通り激動の生涯全体を描きます。...

岩波新書編集部
2018年2月28日読了時間: 9分
1,475


武井弘一さん『茶と琉球人』インタビュー
『茶と琉球人』を刊行した武井弘一さんに話をうかがいました。 * * * ――無事、刊行までたどり着いて、今の心境はいかがですか? なんとか、ほぼ間にあわせることができたというのが、正直な感想です。 本書の「はじめに」と「おわりに」には、戦時中に沖縄から熊本県球磨地方へ疎開し...

岩波新書編集部
2018年2月23日読了時間: 4分
1,788
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